なにやってるの私、これじゃあただの独りよがりじゃないか。
立たなきゃ、そんでちゃんと涼にお礼しなきゃ。

でも・・・立てない、涙が止まらない。

自分が自分を染めるんだ。

「・・・宮比、行くよ」





グイッ





「(あぁ、また)」

涼は私を軽々と持ち上げて、お姫様だっこした。
違う、違うの。

私がしたいのは、こんなことじゃない。

涼に迷惑なんて、かけたくない。



「涼・・・っ!!」



私がただ単に感情的になりすぎているのか、状況があまりにも悪かっただけなのか。

どっちにしろ、涼はいつも優しく頭を撫でる。

「・・・宮比はいつも無理しすぎ」

「ひっく・・・だ、って」

「人がなんて言おうが、自分は自分」

誰が私に無理させてんのよ。

どれもこれも、全部。
全部。

「・・・涼」

「ん」

このタイミングで合っているだろうか。





「・・・ありがと」





「・・・いつものことでしょ」

やっぱり涼は眉一つ動かさず、ただ聞いてくれた。
知ってる、この時の涼は無理してる。



無理して照れてるの隠してる。



「・・・涼、今もしかして、」

「言うなっ」

「(照れてる・・・)」