―――――五分後。



「はぁ・・・」

私は椅子に座って目の前にある大量の宿題を見つめる。
未だに斉藤さんが頭に残っている。

なかなか消えないものだ。

「・・・(もしだよ)」

もし、あの状況で涼が言ったら。



〜回想シーン、宮比と涼(テイク1)〜



『着いたよ』

『え?』

いつのまにか私の家の目の前にまで着いていた。
ちゃんと名札に『早瀬』と書いてある。

『じゃ、僕は帰るから』

『あ、うん。わざわざありがとね!』

私は涼に手を振った。
そしたらね、






『―――――大事なペットを送るのは、当然でしょ』






「ストォオオオップ!!!」

ちょ、待て待て待て!!

な・・・何をどうしたらそんな台詞が出てくるんだ!?
だ、第一ペットて・・・ペットて・・・!!(ショック)

無しっ!
今のはありえない!!

テイク2!!!!



〜テイク2〜



『じゃ、僕は帰るから』

『あ、うん。わざわざありがとね!』


私は涼に手を振った。
そしたらね、






『―――――今度からは首輪つけて送ってやろうか・・・(黒笑)』






「なぜっ!?!?」

どっからきた首輪!
つか、だからペットじゃないっつの!!