別にそこまで―――――・・・



「あー!!!もしかして早瀬・宮比ちゃん!?」



「えっ!?」

急に大声でフルネームを叫ばれた私。
い、一体なに!?

・・・その矢先には、

「り、涼・・・と、柴崎さん?」

「え、なに私のこと知ってるの!?」

そりゃあ今まで話の話題になってましたから。
私は顔にかかった髪を耳にかけた。

「は、はぁ・・・まぁ(テンション高いなぁ)」

「うっそー!!嬉しいなー!」

・・・ちょっと驚いた。

今まで思っていたイメージとは全然違う人で、凄くオチャメだ。
・・・ていうか!!

「ねぇ涼!なんで私にこんな可愛い子、紹介しなかったのよ!!」

「今さっきしたじゃないっすか」



柴崎さんは涼の手を握っていた。



「ていうか先輩、いい加減手ぇ離して下さいよ」

「あ、メンゴ!」

そういうと柴崎さんはパっと手を離した。
離した・・・けど。

私の胸の奥はざわついていた。

「ていうか華ちゃんもお久ー!」

「どーも♪」

華と柴崎さんは凄く仲が良いみたい。
急に最近のドラマの話に花を咲かせた。

「・・・(なんで柴崎さん、手・・・)」

すると、

「!(あ)」

「・・・(ん)」

涼とぱっちり目が合った。

胸がドキンと跳ねる。
ど、どうしたんだ私。

「あ、早く戻らなきゃ!!じゃあね早瀬ちゃん!また後でね〜!」

「ど、どうも」

「じゃ」

「じ、じゃあね涼」

私と華は二人と違う方向に向かって歩いた。
あれ、でも。





グイッ





「!」

「そういや宮比」

この感じ、なんだか久しぶりだ。
涼の不意打ち腕掴み。

「ななななに」

「早瀬ちゃんドモりまくり!!」

柴崎さんの笑いが少しうるさかった。

「今日って、剣道ある?」

「ぇ、あ、うん」

「じゃ、今日は一緒に帰れないね」