「じゃ、ママ行ってくるね〜。」




「はい、気をつけてね。」



私は、玄関に向かい、下駄箱から、サンダルを出して履いた。




そして、下駄箱の横に掛かってある姿見を覗く。



よしっ!


別にデートする訳じゃないのにね……


舞い上がってるね、私。




もう一度、ドアを開ける前に、ママに行った。




「行ってくるね〜。」




キッチンからママは返事した。




「……は〜い。」




外に出ると、急いで駅へと向かった。




急がないと……

少しだけ、小走りになる。







駅に着いた。




辺りを見渡す………




どこだろう? 矢崎さん……




プッ、プッ、プッー




車のクラクションが鳴った



それでも、私がキョロキョロと、矢崎さんを探していると、携帯が鳴った。




鞄から、携帯を取りだした



ディスプレイには

矢崎さん と表示されていた。




携帯番号を登録しておいたのだ。




「もしもし?」




「こっちだ!早くこい!」



「……あの?こっちって、どっちですか?」




「今、手を振ってやっから、見てろ!」




「はい。」




すると、ロータリーに止まっていた車の窓から、手を振っている人がいた。




矢崎さん……




電話を切り、私は、車に駆け寄った。