「だから、この間……」
「あ〜。2年も待った。」
「……………………。」
私は、ほんと何も知らなかった。
私のことを、2年もの間、ずっと思っていてくれてたなんて………
「三度目が、こないだの……?」
「いいや……」
「……違うの?」
「あ〜……。」
一度目も二度目も、私は、全然気付いてなくて、あの日が三度目だと、思ってた
「高校の文化祭や体育祭の時に、いつも遠くから、お前を見てた……」
「………えっ?」
遠くから見ていた……?
そんなの、知らない。
私が、気付かないのは、当然のことだと思う。
でも、私のことを思ってくれていた、淳の気持ちを思うと、とても切なくて、悲しくなった。
そして、また淳から目を反らしてしまった。
涙が頬を伝った。
「澪?」
「……………。」
「こっち、見て?」
私は、ゆっくりと淳の方に顔を向けたが、目を合わせられないでいた。
「笑ってろ!」
「だって………。」
私は、何も言えなかった。
すると、淳が、私の顎に手をかけ、ゆっくりと自分の方に向くように、上げた。
そして…………
私の唇に
そっと、キスをした。
私は、目を丸くして、淳の顔を見た。
すると、淳は、意地悪く、言った………
「もしかして、ファーストキス?」
私は、恥ずかしくなり、顔を真っ赤にして、下を向いた。
「それっ、可愛い過ぎるんだよ!」
と、言って
淳が、フフッと、笑った。
