手のり天使

         
私は人形を拾い上げ、
そのまま床にしゃがみこんだ。


「ははっ・・」


笑うしかなかった。
泣けないから。
律のためだから。

でも悲しい。
私だって悲しい。
本当は大声をあげて
泣き出してしまいたい。

でも私にはそれが出来なかった。