夕方
「真帆ちゃん‥明日またこようよ。真帆ちゃんも参っちゃうよ」
「ここにいたいけど‥解った‥たかこさんが困るもんね」

次の日
山岡さんの状態は安定してるが、相変わらず意識はない‥植物状態‥人工呼吸器も外れた
「明日は一般病棟に移れるって‥よかったね」
一般病棟に移るって事は‥よくなったって事じゃない‥ICUにいる必要がないって事
「じゃあ良くなったって事なんだ」
瞳を輝かせてる真帆ちゃんには本当の事なんか言える訳ないし、その資格もない
「えー山岡さんのご家族の方は?後で先生からお話がありますので」
真帆ちゃんはけなげにうなずいた

「‥という事で明日は一般病棟に移ります‥何か質問は?」
「あの‥いつ目覚めるのでしょうか?」
「あーそれは誰にも解らない‥明日かも10日後かもしれない‥後は祈るだけです」
「え!そんなぁ‥じゃあ逢わせて下さい」
看護婦に耳打ちして
「今少しの時間ならいいです」