…そして、なんやかんやで逆らえずに、その日の放課後は奴と一緒に映画を観に行ってしまった。


そんなことしているからその翌日、変な噂が立った…。



「ねぇ、ねぇ、大塚さんって、神崎君と付き合ってるの〜!?」

「はぃぃっ!?」

教室に入れば、クラスの女の子からそんな風に声を掛けられた。


なにそれ!?私が神崎なんかと…!?

うろたえる私に、彼女は楽しそうにこう話す


「昨日 一緒に帰ってたでしょ?

大塚さんって、神崎君と仲良いし付き合ってるって噂だよ〜 」


「仲良く無いから!!

神崎となんて、絶対に、あ り え な い !!」


そう精一杯否定すると、


「な〜んだぁ〜」

と、その子はつまんなそうに私のもとから去って行った…。


……あれ?

今のもしかして、あの子と友達になれるチャンスだったのではないのだろうか……。


… あぁ、もぅっ、 私の…



「馬鹿」

「!?」


自己嫌悪で自分を罵るはずが、突然現れた神崎に罵られた。


「お前、馬鹿だろ。せっかくのチャンスが…」


一部始終を見ていたのか、神崎は哀れみを込めた目で私を見た…


「うるさい!!あんたのせいでしょ!?

てか、変な噂になってるじゃん!どうしてくれるのよ!?」


「どうもしない。

安心しろ。俺はお前に惚れてないから。」

「っ!?」


…それもそれで、なんかムカつく!!