学園内には、たった一つ、屋敷のようなところがある。

それが、「0-X」の奴等の住家。

だけど、学園から、一般生徒は行ってはいけない という決まりがあるから行けないのだ。

春火は、惜しいっっ と思った。


その頃、屋敷では、こんな出来事が起こっていたのだ。

「…X様。これです。」

三つ編みをして、制服をきちんと着た、生徒らしき者が、誰かに写真を渡している。

「誰か」はX。「写真」は…春火と深雪の2人でいるところのものだった。

「…ごくろうだったな。御陰(ミカゲ)。」

Xは、口を開いた。

「…いえ。では。」

御陰という人物は、屋敷から出た。

「……コイツは裏切り者だ。…フン。すぐに折れるだろう。」

Xは、灰色の何も書かれていない札を取り出すと、何かを書き始めた。

その内容は、こうだった。

『次はお前だ 加藤春火 』


そう。次のターゲットは、春火だった。





次の日。あたしが学校に行ってみると、何故かあたしを見て、みんながざわついた。

どうしてだろう…?

そう思っているうちに、教室に着いた。

勢いよくドアを開けた。

「おは…」

バシャンッッッ

一瞬、何が起こったのかわからなかった。



水だ。

水をかけられたのだ。

しかも、雑巾の絞り汁だった。