「狭山なら、多分…屋上じゃね?」

ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら、愛弓が言った。

「アハハハッッ じゃあ、屋上から殺せるんじゃん?」

と、琉璃が笑いながら言った。

キャハハハハハハ と、笑いが広がる。

いくらなんでも、それはやりすぎだと思った。

「あ、あたしが行ってくるよ。」

あたしは、つい口に出してしまった。もう仕方ない、と思って、教室を出た。

屋上へ、タッタッタッタッと走る。

屋上に出るドアだ。

ガチャンッ…ギィ…

重たいドアを開ける。するとそこには、狭山 深雪がいた。

フェンスから、外の景色を、まるで死んだような目で見ていた。

そして、パタリ、と一粒の雫が零れた。

あたしは、何故か、狭山 深雪の隣に立っていた。

「…どうして、外なんか見てんの?」

気付いたときには、聞いていた。

関わりたくないと思ってたのは、あたしなのに。

狭山 深雪は、私を見て、逃げた。

その場から、走って去っていった。

「………泣いてた……よね…。。。」

あたしは、予鈴のチャイムが鳴る前に、早く教室に戻ろうと思った。