あたしの味方は居なくなった…そう思ったとき。

フッと、1人の友達の顔が思い浮かんだ。


あたしには、同じ体験をしている深雪がいる。

あたしは、ザッと立った。そして、ガラッとドアを開けた。

「集団でしかいじめられないような奴等は、弱いだけなんだよ!!!いじめっていうの  は、弱い奴等がすること。あたしは、絶対に許さない!」

それを言って、あたしは鞄を抱えて屋上へ走った。

きっと、屋上には、深雪がいる…!!


バンッッ と勢いよく屋上のドアを開けた。

「………春火ちゃん………」

深雪は、ぽかんとしてあたしを見た。

「深雪。おはよ^^」

あたしは、ゼェハァと息を切らしながら、ニコッと笑った。

「あの…気をつけたほうがいいよ。」

深雪は、スススと近寄ってきて、あたしを見た。

「灰札、見たよ…。私のせいだよね…。ゴメン…。」

申し訳なさそうに、深雪は俯いた。

「大丈夫。深雪がいるじゃん^^」

あたしはニコッと笑った。深雪は、ホッとしたような表情を浮かべた。

「何やってんだ?お二人さん。」

ふいに、上から声がした。多分…男子。

あたしは、上を見上げた。すると、タンクの所に、男子が立っていた。

「もしかして…Xの……!?」

「違う違う。俺も見方だよ。見てみ。コレ」

その男子は灰色の紙をピラピラさせた。       灰札―

「じゃあアンタも…!?」

「そ。俺は甘夏 日向(アマナツ ヒナタ)。よろしくな。」