「イオリ!」


ドクン


この…声は………


「ハル…」


あたしの


大好きな


大好きな人の声。


「おはよ…」


良かった。
声は出せる。


「じゃ、イオリちゃんまたね」


「……あ、うん」


「またね」ってなんだ。

少し微笑んだカイトは先に学校に入って行った。


「イオリ、俺…」


「あ、昨日はごめんね、いきなり。
…話そう。ハル」


自分でも驚くくらいスラスラと言葉が出た。


「ああ…」


あたし達は屋上に向かった。


朝早く屋上に来る人なんて居なくて


そこはあたしとハルだけだった。