LOVER OF LIE〜消セナイ想イ



「どーしたんだ!?」


一瞬でハルの顔が険しくなる。

「あ、水浴び?なんて…(笑)」


あたしはヘラッと笑って見せた。


グイッ

「ちょっとこい」


「ハル?」


あたしの手を掴んで歩きだす。


「ハルってば!!」


何度名前を呼んでも返事がない。


ハル………っ


無言の背中が淋しい。


だけどもう呼べなくて。


あたしは霞む視界を必死で拭った。



「せんせー!」


ここは保健室の入口。


「あら?どうしたの?」


「タオル貸して」


そう言うハルの後ろで突っ立ってたあたしを見つけた先生は


「びしょ濡れじゃない!!
早く来なさい!!」


そう言って慌ててタオルを貸してくれた。