LOVER OF LIE〜消セナイ想イ



「俺、海斗(カイト)
…覚えておいて?イオリちゃん♪」


そう言って掴んだ手を離して去って行った。


「なんなのっ!?アイツっ!!!」


何も言えなかった自分が悔しい。


ただ振り回されただけだ。



なのに………


『かわいそうだね。
報われない想いって』



あの言葉が


頭から離れない。



………気のせいだよ…


あたしはブンブンと頭を左右に振って、ますます盛り上がってるコートへと走った。


「キャー!!」


「頑張れぇ!!」



点数を見ると、2点差でハル達が負けている。


相手は三年生で、向こうの応援も凄い。