ハルはその日から 輪をかけたようにいっつも笑顔だった。 別れた事なんて微塵も感じさせないくらい。 でも… あたしが好きだったハルの表情じゃない。 あの顔をさせられるのは マナ先輩ただ一人。 「イオリ…?」 机に突っ伏してたあたしの頭上からかけられた声に慌てて顔を上げた。 「帰んねぇの?」 「ハル?」 ハルはあたしの前の席に座った。 「もう誰もいねぇよ」 「あー…寝てた」 「女一人じゃ危ねぇじゃん」 「ご心配どーも。 あたしを女として見るヤツなんていませんからー」 特に ハルはね。