そんな不安を一蹴するように
強く強く握られた掌。
「もう嘘なんて必要ないから」
そう言って真っ直ぐにあたしを見る。
「ハル…?」
「うん?」
いいの?
あたし……
「ハルの傍に居ていい?」
これからはもう
“嘘”じゃなくて…
「………はぁぁー」
ハル?
ハルが突然大きなため息をついてうなだれた。
なかなか顔を上げないハルに不安が募る。
ああ、あたしなんでこんな弱くなってんだろ…
ハルと居ると
あたしがあたしじゃないみたいで。
生意気で
口が悪くて
馬鹿で
ハルの事が
好きで好きで仕方なくて。
そんな
結局それだけのただのちっぽけな女で
だけど
そんな自分を捨てられなくて。
やっぱり気付くのは
好きって事。


