「いまさら会う必要も無かったんだけど…
マナと別れたのも電話だったからかな…
ケジメっつうか」
知らない所でそんなやり取りがあったのは驚いたけど
なんかハルらしいと思った。
「……マナからの話は
もう一度やり直せないかって話だった」
ドクン
やっぱ…り
「…良かったじゃん」
あたしの口からはそんな言葉。
相当、捻くれてる。
「…イオリ
俺がさっきからお前に言ってる事聞いてたか!?」
ハルの口調が強くなる。
「……そ、んなの……」
「俺が好きなのは
イオリだっつーの!!!」
こんなにハルはハッキリと気持ちを伝えてくれるのに
あたしはまだ夢を見ているかのようで。
こんな都合のいい話がある訳無い……
なのに
あたしの瞳からは涙が溢れて止まらなかった。


