LOVER OF LIE〜消セナイ想イ




何が…起こってるの?


まだ頭の中は混乱したまま、あたしはハルの腕の中に居る。



「…………ごめん」


そうしてハルが最初に発した言葉は、「ごめん」と言う一言。


あたしは一瞬抱いてしまった期待を頭の中で打ち消す。



解っていても
やっぱり辛いのは変わらなくて


あたしは感情を抑える為に、大きく息を吸った。


「……あ、謝らないでよ。
だから忘れてって………」


「違う」




え……?

何が…違うの………?


ハルの腕が緩む気配はない。


あたしはますます混乱してきた。


「ハル…
も…離して……?」



「嫌だ」



ハルの意図が解らない。


だけどあたしの耳には、
はっきりと「嫌だ」と聞き取れた。


「……!?…っハル!?」


あたしは思わず声を上げる。


「……離さねぇ」




ハ……、ル……………?





「イオリが好きだ――…」