LOVER OF LIE〜消セナイ想イ



「……落ち着いた?
いや、落ち着ける訳ねぇよな……」


ハルが呟く。


「ううん。も、大丈夫…」

あたしは椅子に座って俯いたまま首を左右に振った。


あれからハルは使っていない教室へあたしを連れて、落ち着くまで黙って傍に居てくれた。


「ハル…ごめん」


何を言っても遅いと思ったけど

言葉を発さずにはいられなかった。


「あたし馬鹿だったね…」

元はと言えば、あたしの考え無しの行動が発端で…

馬鹿としか言いようがない。


「気が狂うかと思った」


「え………?」


ハルの言葉に顔を上げた瞬間、

ふわっと

あたしは
ハルの香に包まれた。



「良かった………っ」


苦しさを絞り出すように言うハルの言葉に

また目頭が熱くなる。


「ハル……………っ」


微かにハルが震えてる……?