「ハ、ル……ごめ……」
「黙って。動くなよ」
ハルの手があたしを隠すかの様にグッと後頭部を抱え込む。
あ……
あたしの制服の前はまだはだけたままだった。
さっきまでの出来事が一気に蘇る。
触られた感触まで生々しく…
その途端、今更体が震え出した。
同時にあたしの目からは涙が溢れ、ハルの肩を濡らす。
な……に、これ………
さっきは感じなかった…感じないようにしてた“恐怖感”に襲われる。
「…っく、うー…」
「イオリ………」
ハルの手がポンポンとあたしの頭を撫でる。
優しくて
とても温かくて
胸が張り裂けそうに
痛くて………
ハル……
ごめん。
ごめんね……
こんなに愛しくて強い腕を
あたしは他に知らない。


