「お前……っ」
また立ち上がろうとする。
ハルっ!!
あたしは無意識にハルの首にしがみつく。
「ハイ、ストップー」
え……?
「カイト先輩っっ!!」
カナエがカイトの名前を呼んだ。
「遠藤さんありがとう。
さて……
いい加減にしろよ?
東工業高校三年、
時田 健次くんと中林 雅俊くん………?」
カイトが悪魔のようにニヤリと二人に向かって笑った。
「な…んで名前っっ」
「俺の情報網は凄いんでね。
ウチの生徒に何してくれたのかなぁ?
覚悟しろよ?お二人さん」
カイトがすごく頼もしい悪魔に見える……
男達は顔面蒼白。
「……田村くん、
こっちは任せて早くイオリちゃんを連れて行ってくれる?」
「………解った。頼んます」
その声と共にハルがあたしを抱えたまま歩き出した。


