「アンタほんっと気ィ強ぇな(笑)」
余裕からか、
口を塞いでいた男の手が少し緩む。
それを見逃さず、あたしは思いっきり噛み付いた。
「痛っ…!!」
……多分もうこれがあたしに出来る最後の反撃。
「テメ…ェ……っ!!」
男が手を振り上げた。
殴られる……!!
あたしはグッと歯を食いしばった。
バシィッ!!!
ドカッッ!!!!
けたたましい音が響き渡る。
え…………?
覚悟していた振り下ろされるはずの手も、衝撃も何も感じなかった。
同時に
あたしの体が浮いた。
「何やってんだよテメーらはぁぁっっっ!!!!!」
え………………?
ハ………ル……………?
あたしはハルの左腕で、肩に抱えるように抱き上げられていた。
「イオリ………っ!!」
カナエが叫びとも取れる声であたしの名前を呼ぶ。
男達を見ると、ハルに殴られたのかうずくまっていた。


