LOVER OF LIE〜消セナイ想イ



届くはずのない叫びは
あっけなく塞がれる。


「―――――っ!!」


「叫んでも無駄だってー」



情けない。

なにやってんのよあたし。


結局助けを求めたりして。



無意識に浮かんだハルの姿。


ハル………



こんな事なら……



駄目。
今更考えたってもう遅い。



だけど

自分の気持ちに正直にいたら


あたしは変われてた……?





違う……っ


何弱気になってんだ。


あたしは目を開けて二人を睨んだ。


「ぉお?なんだぁ?」


どうにか反撃出来ないか目を凝らす。

口は塞がれてて声は出せない。


「シッ!誰か来る!!」


パタパタと廊下を歩く音。


今……だ!!


あたしは足で蹴りあげようと動いた。


「……!!お前っ…」


だけど蹴りあげた足はあっさりと止められた。


「ざーんねんでしたー」