ハル?
意味が解んないよ。
なんでそんなふうに笑うの?
ハルの視線はカイトへ向いた。
いつの間にかカイトの周りには女の子が増えていて。
ああ…
ハルの中ではあたしの好きな人はカイトになってんだっけ……
そんなあたしにハルが近づく。
ドクン
あたしは動けなくてハルを見ていた。
そして
ポンとあたしの頭に触れて
「……頑張れよ」
って微笑んだ。
痛い。
痛い。
痛い―――……
心臓がぎゅって握られた様に痛かった。
そんなふうに
優しく触れないで。
解ってるのに。
知ってるのに。
また思い出してしまう。
また…戻って来てしまう。
あの頃のように
「嘘」だけど
「本当」の
あの時に……………


