LOVER OF LIE〜消セナイ想イ



「イオリ!?」


ある日、イオリがびしょ濡れで教室にいた。

聞けば、

「あ、水浴び?なんて…(笑)」


んな訳ねーだろ!?


「ちょっとこい」


俺は無理矢理イオリを保健室まで連れて行き、タオルを借りる。

そして、そのまま屋上へ向かった。


「ハル……!?」


俺は無言でイオリの髪を拭く。


痛がるイオリの声に手を止めた。


「何があったんだ?」


イオリの手には三年のラインが入った

男物のジャージ。


「別に…何も……」


気まずそうにイオリが下を向く。


誰かにかけられたのか……!?


「じゃ…どうして…」


「本当に大丈夫なの」


遮る様にきっぱりとイオリが言い放った。


………笑顔で。




こんな時まで笑うなよ……


そんなに俺は頼りないのか………?