そうして
契約の恋人となった俺達。
“恋人”と言っても
“普通”の恋人と違って
触れ合う訳でもなく。
ただ
一緒にいた。
「ハル」
そう俺を呼ぶ声に
すごく安心した。
――なんで?
――――どうして?
イオリは特に俺に何を言う訳でもなく
検索する訳でもなく
ただ俺の傍にいて
たまに毒舌を吐きながらも
いつも
笑ってた。
球技大会の時
試合途中に突然イオリの姿が見えなくなった。
それに気付いた途端
俺は試合に集中出来なくなってた。
だけど姿を見た途端、
モヤモヤは嘘のように消えた。
俺…………?
言いようのない気持ちに支配されそうになる。


