そして、イオリはよく寝てる。
誰も居なくなった放課後の教室で。
それを知ったのは、たまたま忘れ物を取りに戻った時。
机に顔を伏せて寝てる姿に、どこか具合が悪いのかと心配になった。
慌てて声をかけたら、不機嫌な顔で
「…だって眠いから」
いや、いくら男らしい(笑)イオリでも
一人で寝てるなんて危ないだろ!?
しかも放課後の教室なんて。
「送ろっか?」
この様子じゃ、また寝るか車にひかれそうだ。
「……いい。目ぇ覚めたし。
あたし送るヒマがあんならマナ先輩のとこ行きなよ」
そう微笑んで、イオリは立ち上がった。
……最近、マナと会えてないの解ったんかな。
やっぱ、
大学生と高校生じゃ会えない時間が増えるのは当たり前で。
ここ最近は特にそうだった。
「…なぁに気弱になってんのよ!頑張れ!」
イオリは俺の胸に軽くパンチをくらわす。
やっぱイオリにはバレバレか……(笑)


