「違う。こんな事してないよ」


美登に近づこうとした瞬間、


「ごめん。まだ信じた訳じゃないから…。」


この時、夢じゃないと分かった。


悪い夢なら、もう覚めてるはず。


けど覚めない。…現実だ。


その場に崩れ落ちた。


みんな口々に言っている。


『最悪』『信じらんない』『その子可哀そう』


聞きたくない。言わないで、やめて。


手で耳を塞いだ。


信じてくれる人はいないの?


手を差し伸べてくれる人はいないの?