「これ、初恋の人に会ったら
渡そうと思って、ずっと前に買った。」


と、照れくさそうに言った。


少し錆びてる部分がある。


「それなら海じゃなくてその人にあげなよ」


と海は空にオルゴールを返した。


「いや、それが…。目の前にいる…人。」


「え…。」


「前に初めて海に会った時、少しウザいなとは
思ってたけど、結構好きになってた」


『好きになってた』この言葉を聞いた瞬間、


目の前がぼやけた。


目からは大粒の涙がポタポタ。


海は泣きながら空に言った。