「行くよー」


午前11時頃、お母さんと車に乗って総合病院に行く途中です。


「ねぇ、治らない病気だったらどうしよー!」


「何バカなこと言ってんの」ってお母さんは笑ってるけど


分かんないじゃんっ、怖いじゃんっ!!


「じゅきの言った事は気にしないの。からかってるだけでしょ」


いや、気にするって。心の中でお母さんの言った事を悪い事に


必死になってたら、病院に着いてしまった。






「大谷海さんどうぞー」


看護師さんがドアから顔を出して名前を呼んだ。


「お母さん、ここで待ってるから」「うん」


診察室に入ると夢で見たおっさんと似ている人が…。


「今日はどうしましたか?」「吐き気がして…」


「熱は?」「無い…です」


おっさん…先生はさっきいろいろ書いた紙ジーと眺めて


「検査するので、準備が終わるまで外で待っていてください」


とニコッと笑って奥の方へ消えてしまった。