「…これ」 いつも 無口なあなた 一言 つぶやくと 水色のリボンのついた 白くて小さい紙袋を 私の目の前に差し出した 「あの日は それを選ぶのを 手伝ってもらってたんだ」 何も言えずに 袋を受け取る 中身は ハート型の 小さなピアス 自分でも 気づかないうちに 涙があふれていた そういえば 泣いたのなんて 何年ぶり?