「素晴らしい桜の木ね~」


「うん、この季節が一番好きなんだ。
桜色って癒されるだろ。」


私は思わず聞き入った。


「なに?」

おじさん……
元哉が私を見つめた。


「ううん。さっき会った時は
もっと怖い人だと思ってたから。」


「俺?
怖いよ……
何?優しく見えるのか?」



「いや……なんか優しく話すから~」

って私はあなたを知ってる。


優しいお父さんだから
翔が大好きなことも


仕事もできるから
尊敬してることも


あなたが私の大事な人の
おとうさんだから~


「この木の下だからかもな~」



茶色い髪の毛が
風になびいた。