「翔!!」

私は心の中で叫んでいた。



そこに立っているのは
グレーのスウエットを着込んで
薄茶色のサラサラヘアーが
太陽の光に照らされて
きれいに光る・・・・


翔・・・
会いたかった・・・・・



涙がスーーーっと流れた。




「おまえ、さっきの?
どしたの?」



犬を私から
とった。



「あ、いや…ごめんなさい…
ちょっと悲しいことがあって…
犬があんまり可愛くて…」



翔…
いや…おじさんは無言で
犬を私に押し付けた。


「ありがとう」


私は犬を抱きながらしばらく泣いた。