小さい頃、よく来たこの道は
私の記憶と違ってはいない。

私が孫として
この家に来たときは
もう祖母しかいなかった。


祖母は今は病気で入院している。
ママは祖母のところに
通いとても大事にしている。
病名は胃ガン
もう長くはないみたい。



古いけれど立派な家だった。


ピンポーン



 ドキドキする


しばらくして
「はい……どちらさま?」
祖母の声は沈んでいた。



「同級生の志村です。」



「志村さん?
ちょっと待ってね。」




玄関先に出てきた
祖母はとてもきれいだった。