「足にマヒが残るって。
脳の機能が完全にはもどらない。
このまま長く歩くときは
杖になると思う。」


私は何も言わず
真重の頬にキスをした。


「俺の大事な居場所も
整理しようと思う。
再来週の土曜日
最後の集会を開いて
百鬼の解散で終わるつもり。
その時
最後にバイクで流したい。
その時、おまえも
ついてきてくれるか?」



「もちろんよ。
うれしい、集会に出るの
初めてだもん。」


「足は不自由だけど
バイクの後ろに乗ってくれるか?
これが最後の
バイクにする。
俺の最後のけじめを
おまえにも一緒に
見ててほしいんだ。」



「うん。目に焼き付けるわ。」



真重は
私を強く抱きしめた。