一番ショックだったのは
真重がとても優しい顔だったこと。
私にだって
あんな顔したことあるのかな。


 やきもち?


不安になった。
翔のときも
嫉妬でこんなことになってしまった。


真重は香利の肩に手をまわし
人ごみへ戻って行った。


頭の中が音を立てていた。


私は深呼吸をした。



 見なかった
 何も・・・・・・・



みんなの輪に戻った。

真重が私の目をそらした。
私も力なく
下を向いた。


空気がはりつめていた。 



「おはよう、マジュ。」
なるべく明るく

私は真重の前に進んだ。


「おう。」


いつもと空気の流れが違う。


香利の目が私を刺した。