私は知りたかった。

真重のよみがえった記憶の中を

何を求めてここにいるのか。


本当のあなたは
どこの誰で
どんな人のためにここにいるの?



その人のことどのくらい
愛しているの?
私とその人と
どっちが好き?


すべて自分のことと重なった。


 こんなこと質問されたら
 死んだふりするわ。



真重はベットに横たわる。
うかない表情だった。


「昨日のままでよかった。」
ポツリ言った。

混乱する真重を今は
信じるしかない。


私を愛してる?

そう聞きたかったけど
我慢した。



 躊躇されたら?
そう思うと怖くなった。



私のほかに愛する人がいる



怖かった。
ここでは真重は私だけのものなのに
誰かほかの人がいる。





ただ真重の手をずっと握り締めていた。