「なんで?急に?」


「わるい、俺さ、急用ができたから
ちょっと急ぐわ。
おまえも早く会いたいだろう?」


「あ、そうなの?
ごめんね、忙しいのに。」


「いや~
おまえ、あいつのこと
よっぽど好きなんだな。」



「うん、大好きだよ。」


和重が呆れたように
前を向いた。


乱暴な運転で
元哉のバイクがまかれてしまったことに
気付かずに
真重に会ったら
最初になんて言おう


そればかり
考えていた。



後ろめたさが
言葉を濁す。


わかってもらえるか


少し心が暗くなった。