会計を済ますお客さんが

「やーーーおいしかった。
また、来るよ!!」と言って
帰っていく。

「マサ代、この言葉があるから
私たちは頑張っていられるんだよ。
ばあちゃんはこの言葉を
何十年も聞いてきたから
それがばあちゃんの生き甲斐だったから
店をあきらめたくない。
わかるよね?」



「わかるわ。
胸が痛むくらい……」


「あの息子だって今は純粋でも
きっと変わっていく。
父親にそっくりに。
あんたにあそこの嫁は無理。」


「もう結婚?」


「いずれはさ、長く付き合えば
そうでしょう?」


私にはあの家庭は無理


「でも、マジュはひとりなんだよ。」


「複雑なのはわかる。
でもあの子だって変わるしかないんだよ。
あの父親が変えてしまう。
だから今のうちに別れなさい。
そのほうがあんたのため。
カレのため
みんなのためになるんだから。」



「こんばんわ~~」


「は~~い、いらっしゃい!!」
母はお盆を抱えて
出迎えにいった。