「おやじが言った。

『あいつは、経営者向きなんだ。
族の頭として
下をまとめる、統率力、闘争力
頭もいいし、何よりあいつは
おべんちゃら振らなくても
そこにいるだけで
人が集まってくるオーラがある。
経営者に、欲しいもの
すべてがあいつにはあるんだ。
おまえには
それがひとつもないな。
真重は俺に似てるが
おまえは母親似だから
何か違う未来をさがせばいい。』

だってさ~」



確かに真重には
オーラがあふれてる。



「俺はさ、正真正銘の息子で
あいつは愛人の息子で
それでも勝手に生きろって
捨てられた気がして
情けないよ。
母親からも責められてさ
『愛人の子供に負けるのか!?』
俺のはけ口は
あの涼しい目で俺を見下す
あいつをいじめたいってとこか。」



「そういうとこが
あんたのダメなとこよ。」


和重のイタイとこを
私はついてしまった。