やっと出てきたと思ったのに
真重はおっさんに
うながされるようにして
車に乗り込んだ。


ちらっと見えた
真重は力なくうつむいていた。


私は車が見えなくなるまで
見送っていた。



 どこに連れていかれた?


心配で仕方なかった。


「おい!」


声がしたほうを振り返ると


 翔!?


元哉が立っていた。


「なんか討ち入りでも
しそうな顔だけど?」


そう言った。