「学校の時もそうだった。
おばさんの病気の治療費なんか
マジュのどーにも
ならないとこを突いて
あの学校に入れたんだ。」


「おかあさんって
なんの病気なの?」


「脳腫瘍だよ。
もうかなり悪いんだ。」



「かわいそうなマジュ……」



「マジュのところに
行ってみるわ。」



私は自転車を飛ばした。



 マジュ……



おっさんがきっと
百鬼も陥れたに違いない


黒い影が
マジュを隠そうとしてる。


私は、真重を失ってはいけない
どんなことが
あっても・・・・


たとえ
孤独になっても
真重だけいればいい・・・・

真重のアパートの前には
黒塗りの車がとまっていた。