私はロビーで真重を待った。

エレベーターから出てきた
真重は医者と一緒だった。


「もうかなり衰弱してるから
覚悟しておいて。
今日は君がきてくれたおかげで
落ち着いたよ。
おとうさんにも
会いに来てくれるように
話しておいたほうがいいな。」


「はい。
よろしくお願いします。」
真重は深ぶかと頭を下げた。



医者と別れて
真重は私のほうを振り向いた。


「まにょ?」



「バイト先のおばさんに聞いたの。
おかあさんが悪いって。
大丈夫なの?」



「今は眠ったけど
今日は久し振りに話した。
いつもうつらうつらしてるから。」


私は悲しそうな真重の手を
強く握った。



「私がいるよ。」


真重はにっこり笑った。