真重の母親の病院は
静かな山の上にあった。

おそるおそるロビーに入っていく。


外見より中のほうが
少し新しい感じがした・


受付に行った。


「江口さんの病室教えて下さい。」

受付の若い女性が笑顔で

「310号室です。」と教えてくれた。


ここに来たものの
どうしようか悩んでいた。

行っていいのか悪いのか


迷いながらも足は向いた。




310号室の前に立った。


江口 一美


個室のようだった。


「かあさん……」



「マーくん…はおとうさんと
仲良くやっているの?」


「とうさんは優しいよ。
しょっちゅうメシ御馳走になってるし
かあさんのことも心配してた。」


「忙しい人だからね。
感謝してるのよ。
マーくんの教育費や生活費を
援助してくれてるんだもん。
息子として大事にしてくれて
うれしいわ。」



真重は嘘をついてる