信号で止まった。

「家、どこ?」

真重が大声で怒鳴った。


私も
家の住所を怒鳴った。

「歩いてきたのか?」

「うん。」

「バカか~
悪いけど先に一度家に寄るから。」

「うん。」


信号が変わった瞬間
体が風になった。


私はキュンと縮まる心臓を
真重の背中に押し付けた。


 いつもこんな怖い乗り物に
 乗ってるんだ・・・


バイクはアパートの前に止まった。


「あ…ここ……」


マリリンが見せてくれた
あのアパートだった。