恋する背中をつかまえて



「…美羽 今どこ?」

「時計台の近く…
それがどうかしたの?」


時計台から離れて、
少しでも声が聞こえるところに
移動しようとしたら…

誰かがあたしの肩を叩いた。





「…見つけた、泣き虫」





サングラスをかけてるけど、
声は間違えることはない。


会いたくて会いたくて
仕方がなかった人が。

目の前に立っていた。



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