恋する背中をつかまえて



乾いた音がした。



沸き上がる歓声。

周りの人が、競うように
次々に身を乗り出す。


笑顔が溢れている。






その中心に崇志はいた。



いい顔して笑ってる。

満面の笑みを浮かべて、
あたしを迷うことなく、
瞬時に見つけ出してくれた。






…手を振る仕草も、
堂に入ってるわ。

あたしだけ
妙に冷静になっていた。



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