恋する背中をつかまえて



「決まってんじゃん!」


叫ぶように言ってしまうと、
その目を見た崇志が黙り込んだ。





…なんかいけないこと、
あたし言ったのかな?



崇志が好きだから
浅野さんとは付き合えない。

もちろん、
崇志だけだって思ってるから。







車が街中から離れていく。

どこに向かってるか
聞けない空気の中、
あたしの右手をそっと包む

崇志の左手だけが救いだった。



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