「直哉アンタお見合いする気ない?」



「はい?」




もうすぐ夏休みになり確かに思考がおかしくなる人もいる




「ないです」



「いいじゃん!それともまだ樹ちゃんがいいの?」




「……お母さん仕事遅れますよ?」




「候補としては佐々美和子<ササミワコ>ちゃん

将来はかなり有望よ」




そう言って佐々さんの写真をテーブルに置いてでかける




……別に樹のことが気になるわけじゃない





外に出ると樹と涼が待っていた



「まっちゃんおはよ〜」



「おはよ学校に行こう」





まだ幼稚園の頃


樹が積極的に結婚しようと話したことがあった




小学校になるにつれて本当に婚約をした



樹はかなり喜んで花嫁修行をしようとはりっきていた




「まっちゃん聞いてる?」


「聞いてるよ」




俺も小学生なりに樹を幸せにするって決めてた




でも……




「好きな人ができた」



小学5年生の時に樹から言われた



詳しく聞くと二千架未駆<ニチカミク>という男子らしく



何回も告白しても「今はサッカーが好き」って断っている




それから樹は婚約解消をしたことを後ろめているのか極力家に上がらなくなった