その男からはいつも薬莢と煙草の匂いがした。
いつからだろう、もう何も思い出せなくなってしまったのは


第1話「始まりの狂想曲」

俺の仕事場は、公安特殊課 いわゆる諜報組織のお荷物達が所属する場所・・・らしい。
全員過去に色々あり、表には出られない悪餓鬼どもばっかり。
という噂だがまったく嫌な所にまわされたもんだ
少し変わっている場所は、この課の課長がまだ16歳の子供ということだ。
どこを探しても子供が課長の部署なんてありえないだろ・・・普通
過去に、ここは別の仕事をやっていたらしいが、それを知る人間は課長とその兄、そして秘書しかいないそうだが、実際はどうなのかは知らない
俺はというと、この前仕事でヘマをやってクビになり、ここに回された口だ。
そして、今日がこの課へ配属されて初日の日
俺は課長室のドアをノックした

「どうぞ」

中から、かなり低い声が返ってきた